【INTERVIEW】成田童夢 in池袋西武オンライントークイベント(MC:上野駿介)

一般社団法人LIFE IS ROSEと西武池袋本店のコラボ企画「五感で旅する世界旅行」オンライントークイベントより、成田童夢さんのインタビューをお送りします。MCは上野駿介が務めました。

―上野:17歳でスノーボードで世界を獲って、しかも今はお好きなサブカルチャーを発信していくということで。どうしてここまで自分の”好き”なことを追求して挑戦できるのかを教えていただきたいです。

成田:まず、好きなことをやらない人生ってつまらないですか?好きなことを追求していくというのはある意味、人としての本能なんじゃないかなって私は思うんですよね。

好きなことをやらない方々を否定している訳ではなくて、同じ一生を過ごすのであれば、好きな事に時間を使ったとしても、いま自分がやっているポジションをやりたい人もいるのもいると思うんですよね。じゃあ自分はやりたくないけど、やりたい人にバトンパスしちゃうと、自分自身は好きなことやるという風なことにしても、間違っては無いんじゃないかなと思います。

コロナ禍のイベントにつき、お互いフェイスマスクを着用して対談を実施しました。

―8歳でスノーボードを始めていますが、これって最初の時点から”好き”だったんですか?

その当時は分からなかったです。好きとか嫌い以前に、父親はスキーをやっていたんですけれども、とりあえずそこに付いていこうと、ただそれだけでした。父親と一緒に遊べる時間があるっていうのは嬉しかったです。一緒に滑ってたとはいえ、結構放置されてたんですけど(笑)やっているうちに、これが競技であるということを知りました。

―いま考えると、スノーボードの出会いも結構偶然ですよね。

そうですね。元々スキーをやってたんですけど。家族でほぼ毎年ウィスラー(カナダ有数のリゾート地)に遊びに行っていたのですが、そこで子供用のスノーボードを見つけて。”スノーボード”っていうもの自体を初めて見て「やってみたい!」と思ったのがきっかけなんですよ。普段、私は父親に対してイエスマンみたいな感じだったんですけど、初めてそこで「買って!」と、おねだりしたのを覚えています。

―ウィスラーに行ってなかったら、もしかすると世界を獲ってなかったかもしれないんですね!?

直訳するとそうですね(笑) なので、こういった些細な出来事をいかにチャンスとして掴むかだけだと思っていて。その当時は勿論そんなことを全く思ってないんですけど、やっぱり楽しさを追求した結果、世界を獲ったりだとか、オリンピックに出場に繋がったわけなので。「好きと思えるか否か」がやっぱりここに関わってくるんじゃないかと思います。

―でも考えてみると、8歳から始めて9年間くらいは練習を積み重ねていたじゃないですか。9年間も、”好き”って持続するんですかね?

もちろん波はあります。波はあるんですけれども、その中でも好きなところを模索していくっていうのが必要です。もちろん明確な目標は大事だとは思うんですけれども、はじめから持つ必要性はない。好きか嫌いかだけでいいと思うんですね。「好きの反対は無関心」ってよく言いますけど、無関心ってそもそもやらないじゃないですか(笑)だから嫌いか好きかのどっちかだと思う。嫌いならやんなくていい訳だし、好きだからこそ続けてこれただけの話で。「好きの積み重ねで発展持続していった」というのが、一番的確な表現かな。

―好きを続けるって一番楽しいですね。

―20代の頃の自分に最も伝えたいことは何でしょうか?

時間の使い方を、もうちょっと工夫した方が良かったんじゃないかなと思います。二十歳の時にオリンピックに出て、その後すぐに、他の自分の好きなことに全力投球できなかった。二の足を踏んでしまったんです。

そして、周りの方たちが『もう一回オリンピック行くんだよね?』みたいな空気になっちゃって…やりたくても、やれないような状況が続いちゃったんですよね。そうなると練習にもちろん身が入らないですし、大会に出てもボロボロで…この最中に「何やってるんだろう?俺。」みたいに思ってしまって。

そういったことをしていると怪我もどんどん増えて。怪我をしている間って、何も出来ないんですよね。やりたいことが明確じゃなかったからこそ、余計に「自分は何をやってるんだろう…」っていうフラストレーションしか溜まんなかったんです。

まず自分は何の為にこれをやってきたのか?っていうことを、ちゃんと見つめ直す時間を自分が作ってあげていれば、すぐにそっちへ行けたんじゃないの?って思います。

―これからの若者に最も伝えたいことはなんでしょうか?

自分のなかで常に思っていることは、「何とかなる」のではなくて、「何かやりたいことに対してずっとやり続けていれば、結果何とかなる」んですよね。ちょっとでも興味があるもの・興味が湧いたものに関しては、まず体験してみる・やってみる・触ってみる。なるべく早い段階で、その競技会であったりだとか、それを好きな方々が集まる場所に足を運んでみる。これがすごい大事だと思います。

ちょっとでも「いいなぁ」「かっこいいなぁ」思ったなら、まずやってみよう!そのアンテナを広げてもらいたいな。これが”伝えたいこと”になるんじゃないですかね。

―最後に質問です。あなたにとって「バラ色の人生」とは?

常に楽しいことを考えているかどうか。そして、明日ではなく、今日死んでいいような人生を歩めてるかどうか。これが「バラ色の人生」だと思います。

だっていつ死ぬか分かんないんですよ。今日死ぬんだったら「今」やらないといけない。だから「いつ死んでもいい」「今死んでもいい」って胸を張れる生き方をするのが「バラ色の人生」を歩むことに繋がってくるんじゃないですかね。

―何も後悔せず、今を生きる。好きを追求して、これからも生きていこう。ということですね。

ひとつ付け加えるとすれば、他の人に迷惑をかけさえしなければいいんじゃないかと(笑)あくまで人に迷惑をかけずに、自分がいつ死んでもいいような人生を歩むこと。これが大事だと思います。

ゲストプロフィール:
成田童夢(なりた どうむ)ポップカルチャータレント・実業家
8歳からスノーボードを始め、16歳で全日本選手権優勝、17歳でカナダ・ウィスラーワールドカップ優勝、20歳でトリノオリンピック出場を果たした。現役引退後は、マルチレントとして幅広く活動中。

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