2023年7月24日より、アーティスト・SUDA YUMAのアフリカ渡航プロジェクトが始動しました。LIFE IS ROSEはこの企画を全面的にバックアップしています。動物を愛する画家として頭角をあらわすSUDA YUMAの夢は、アフリカの大地で生きる野生どうぶつ達に会いに行くこと。ひとりの若き芸術家の人生観が変わる瞬間を支援する、特別なクラウドファンディングに込めた想いをSUDA YUMAのご家族(母・裕子さん、兄・将太郎さん)に伺いました。
SUDA YUMA 夢のアフリカ初挑戦プロジェクト-才能にBET-
https://rescuex.jp/project/76450
―編集部:まずはこのクラウドファンディングを実施することについて、率直な心境を聞かせてください。
母・裕子さん:YUMAはちっちゃい頃からずっと絵が好きでした。日本の色んな動物園や水族館に行って、アフリカのジャングルとか、そういうのをたくさん描いていたんですね。YUMAはよく地球の歩き方という本を見ていて、何となく彼の中でアフリカっていうワードは出ていました。「行けたらいいね、サバンナ。」っていう風なことは会話の中ではあったんですが、正直私が連れて行けるっていうのは想像だにしなかったですし、私にとってのアフリカは皆さんよりもっともっと遠いイメージなので…まさか実現しないであろうと思っていました。まだ本当にそれが実際に行けるのか、ちょっとフワフワした感じで思ってるようなのが実感です。
兄・将太郎さん:クラウドファンディングって世間的には“お金を支援してもらう”ようなイメージがあるけれど、今回クラウドファンディングをやることにしたのは、勿論そういう側面もありつつも、YUMAが渡航するプロジェクトをみんなで共有できるような形にしたいという想いがあるからです。単純に金銭面だけを考えたら、YUMAの絵の資金でやりくりして渡航するという可能性もありましたが、それよりもみんなと一緒にイベントを盛り上げてくとか、共感性みたいなところをクラウドファンディングで作れればいいなと思って動いています。
クラウドファンディングって色んな種類があると思うんですけど、例えばリターンの内容も完全に寄付型のリターンとか、サンクスレターとか、何かに参加できますぐらいのものもあると思います。今回のクラウドファンディングのリターンは、YUMAのグッズや絵であったり、ここ1~2年である程度の金額で売れているものをリターンにしているので、単純に支援してもらうっていう意味よりかは、アートを事前に購入してもらって、YUMAのプロジェクトを楽んでもらって、最後にリターンが返ってくる流れになっています。さっき言ったような完全に支援寄りじゃなくて、みんなで一緒に楽しんでみんなも欲しかった絵が手に入るし、そのお金が見える形でYUMAの渡航費に積み上がってくるみたいなイメージのクラウドファンディングだと私は思っています
―私も単なる渡航費の支援というよりかは、アーティストとしての彼の今であったり未来を、みんなで共有して楽しんでもらえるような温かいクラウドファンディングになるんじゃないかなと思っていました。
―YUMAさんのこれまでの歩みについてもお伺いしたいです。今はアーティスト活動をされていますが、数年前までは色んなところへ行って社会参画していたんですよね。
裕子さん:YUMAは今25歳で、小学校は通常級で6年間過ごさせてもらいました。やっぱり先生とか周りの人にとても恵まれて、幼馴染みの子がホームページ作ってくれたり、今も出入りしてくれてるようなそういう感じで育って。中学からは支援級、高校も支援学校に行きました。職業訓練校的な支援校という形なので、支援学校を卒業すると就労を目指す訳ですが、高校3年生の企業実習で、かなり強いところに行ってしまって、メンタルを初めてやられてしまったんです。本当にいつもニコニコしてる子が、体が緊張でもうどうにもできないような時期が半年くらい続いて…就労はやめたいということで就労移行という準備施設に2年間行きました。
その時点で絵というのは、彼にとってライフワークだったんです。絵は小さいころからずっと描いていて、小中学の時に区のアート、学校がやってるものに入賞したりとか。そういうので、ちょっと応募すると割と入賞できたりすることを重ねていって、どんな時も少しずつでもやっていけるようなサポートはしてきました。そんな折、ABLE ART JAPAN(エイブル・アート・ジャパン)という、障害者のアート団体に紹介されて、アトリエに通ううちに、そこの登録作家になりました。ABLE ART JAPANは企業と連携していて、企業の方にデータを出していくことによって、ロイヤリティいただくとか、イベントのお話をいただくとか。そういうことで少しずつ、ただ描いてるというよりは、少しずつ外にも出していけるような形にもなっていきました。
でも私としては、何にもしてないっていうよりは、やっぱり就職してるっていう信頼というのもがあると思っていて。YUMAは就労移行から保育園で働きくことになりました。まだこういう子たちは、決まった時間で毎日勤めるという働き方しか選択肢がない時だったので、朝早く6時半に起きて保育園をお掃除をしに通っていました。コロナ禍になって結構お仕事の内容も大変になって…トータルで5年働いて、YUMAもかなりきつくなってきたなっていうのを感じたので“卒業”という形をとりました。YUMAみたいな子が自分から辞めるっていう選択肢をなかなか取れないから、それが失敗みたいなイメージになってしまうので…なんとか“卒業”っていうことで説得をして。
ちょうどそのタイミングで将太郎がリモートで帰ってきたので、そこから家で絵を描いたり、ピアノも弾いたりするので、少しゆったりのんびりしてもいいんじゃないかっていうことで描き始めたところ、割と描く時間に余裕ができたことで、作品を作り出す量がかなり上がりました。そこから色んなお話をいただいて。いただいたお話に答えていくっていう形で今に至る感じ。
将太郎さん:ちょっと付け加えて話すと、メンタルを崩しながらもYUMAが色んな就労施設で就労していく中で、どうしても家族のサポートっていうのが必要不可欠な部分がかなりあるなと思っていて。やっぱりYUMAみたいな子って基本的に親御さんとずっと一緒にいて、死ぬまでずっと一緒にいるケースが多くて、なかなか一人でずっと暮らしていくのは難しいんです。誰かのサポートがないと難しいってのが現状としてあって。そうなった時に、自分も20代後半に差し掛かってきて、支えてくれていた両親もどんどん歳も取ってくるし、老後の事も考えなきゃいけないような段階になってくると、ずっと両親に預けっぱなしでやっていくわけにも、現実的にも行かなくなってくる。
じゃあどうするか?ってなった時に、YUMAが就労して生活するだけのお金を、なんとかその場その場で稼いでいくんじゃなくて、このYUMAがずっと続けてきたものが、彼のライフワークになって、それがYUMAの生活を支えていけるような土台が、自分たち家族が動けるうちに確立できれば一番いいと思ったんです。この2、3年で絵を販売しはじめて、そこからもう少し本格的に個展を開いて絵を売ったり、価格帯を上げたりしながら、今活動してきてるっていうところがあります。
裕子さん:活動のなかで、それこそアパレル関係の方が目を付けてくださって、色々な会社と連携してくださったりとか、そういうことで割と認知度も皆さんの興味も湧いてきてくださったのかなと思います。
私も含め、障がい者の子供をもつ家庭はとにかく永遠に子育ても終わらない。みんな親がやるしかない。何かもう半ば諦めに近い…そりゃみんなからしたら『絵描いていいよね』『ピアノ弾けていいよね』って話かもしれないけど、現実は全然そんなではなくて…皆さんは巣立っていくけど、巣立たないっていう圧倒的な現実があって、年老いて大変な方もたくさんいらっしゃるし、それを親だけがやるしかないっていうのが、やっぱり今の現実なので。
YUMAのことを知ってくれる人、何か興味を持ってくれる方が少しでも増えてくれて、将太郎も一人でやるんではなくて、みんなで少しでもサポートできるようになったらいいなと思います。自分の家もそうだけど、社会がそういう風に少しでもなっていったらいいなというのが、やっぱり強く思うところではあります。
―本当にこういった苦労っていうのは私では計り知れないものがあるかなと思うんですけれども。このクラウドファンディングっていうものが大きな転機になればいいなと思いますね。本当により多くの方がYUMAさんのことを知っていただいて、そこで考えるきっかけにもなればいいのかなって思いますし、社会がどんどん変わっていくようになっていけばいいなとは思いますね。
裕子さん:実際、かなり昔より変わってると思うし、皆さんの世代とかがYUMAみたいな子達を見る目っていうのも本当に何か隔たりが随分なくなってるというか。普通に面白いとか、こういうところ興味あるとか、そういう風に受け取ってくださってる印象が強いので、逆にもうお年寄りとかの方は偏見に満ちていて、すごく世の中、時代は終わってるなというのをやっぱり皆さんとお付き合いさせていただく中で実感してます。
(続く)
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SUDA YUMA 夢のアフリカ初挑戦プロジェクト-才能にBET-
https://rescuex.jp/project/76450
<運営>
株式会社Yumart
<アフリカ渡航期間>
2023年10月14日-10/25
<YUMA HP>
https://www.sudayuma.com/
<SNS>
・instagram
https://www.instagram.com/sudayuma/