【INTERVIEW】東松貴文さんin池袋西武オンライントークイベント【前編】

一般社団法人LIFE IS ROSEと西武池袋本店のコラボ企画『五感で旅する世界旅行』オンライントークイベントより、リーマントラベラー・東松寛文さんのインタビュー【前編】をお送りします。

―東松くんは、2012年から旅を始めて、2016年から発信を開始。コロナ禍前までに会社員やりながら70カ国で159都市まわられているとのことで、夢みたいなライフスタイルじゃないですか。

東松:元々は「サラリーマンしながらだと休みが取れない…」と考えていました。でも休みが取れないのはずっと変わらないわけなので、だったらまずは取れない中でも行動してみて、そしたら「意外と行けちゃった!」みたいなところがスタートでした。それがなかったら今も多分行ってなかったでしょうね。2010年に入社して、社会人3年目までの3年目の始まりぐらいまでは、基本的には平日は会社のために働いて、休日も会社のために休むって感じの生活を基本としていましたね。

“世界1周をしたい!”と思ったんですけど、“会社を辞める”と“世界1周”のどっちが優先かというと、やはり“会社を辞める”が全然入ってこない。辞めるほどのことじゃないです。でも“世界1周”はしたいと思った時に、日本にいる時を“トランジット期間”と考えることにしたんです。日本にいる時は乗り継ぎ、そこから行って帰って、行って帰って…最後に点を繋いでしまえば結果的に世界1周になるんじゃないかと。これであればサラリーマンでも行けるんじゃないかと思って、2016年の10月から12月の3ヶ月間、平日は会社員をしながら、毎週末海外旅行に行って、働きながら世界1周しました。その時は有給もトータルで8日間。夏休みと祝日があるところを繋げて行っていました。

―有休8日しか使ってなんですか!全然余っちゃってるんですね。

あ、そうなんです。基本的には会社員の方が真似できるスケジュールで旅していました。金曜夜に仕事が終わってそのまま空港に向かって出発して、土曜の朝を海外で迎え、そして日曜の夜出発して、月曜の早朝に帰国してそのまま出社するという。物理的にやるやらないは別ですけど(笑)

―全力出社ですね(笑)

サラリーマンのスケジュールで世界1周できることを証明したかった。世界をたくさん見てくるって誰もが出来ていいはずなのに、サラリーマンになると出来なくなるというのが、悲しいというか悔しかったんです。

―会社の上司の反応は、実際どうだったんですか?

最初は上司の顔色を伺いました。一番最初にやったのは、3連休だけを使って韓国に行くこと。3連休の観光ってギリギリ楽しめるぐらいで「もうちょっと欲しいな…」と個人的には思いつつも、土曜に出発しても余裕で行って帰って来れて。「あれ、これ上司に言わなくてもバレないじゃん」って思って、次は土日で香港に行ってみてバレなくて。その理論でどんどん旅行に行くんですけど、会社にもお土産を渡して僕の“旅好きキャラ”を植え付けていくんです。それで「有休1日欲しいです!」と言うと、了承してもらいやすくなったんです。

―理解のある上司だったんですね。

理解をしてもらえるように努力をしました。仕事を優先しながら海外旅行に行っているので、僕が休んでいる時でも、日本が平日だったら日中には発信しないように、日本時間の定時以降に投稿するようにしていました。

―仕事を休むとチームのメンバーに負荷がかることがありますが、どんな対策をされていましたか?

まずは先にこっちから仕掛けるんです。例えば定期的に食事に連れて行ったり。“ギブ・アンド・テイク”の理論でいったら、先に“ギブ”しておくんです。それを積み重ねておいて、自分が必要な時に助けてもらうみたいなことを意識はしていましたね。僕が仕事を休んで旅行に行っている時は、必ず誰かが代わりに働いているってことだと思うので。休むことは権利だと思うんですけど、仕事があるという事実は変わらない。自分が権利を行使中でも、その間に働いている人たちへのリスペクトは欠かさないように意識しています。

SNSで『お土産なんていらない』『(休みを権利とした場合に)権利を行使しているだけなのに、お土産を買うっていうのはちょっとやり過ぎ』という意見も見かけるんですけど、僕からすると甚だ間違っていて。休みという権利を行使しているに代わりに、仕事をやってくれている人がいるので、トータルの人間関係のコミュニケーションの中で言ったら、確実に感謝すべきだし、かつその人がちゃんと喜ぶべきお土産を選ぶべきだと思うんです。一番最悪なのは、お土産を箱で買っておいてチームの共有スペースに「食べておいてください」って置いておくこと。これ意味ないですね。感謝が伝わらないんですよ。せめてお菓子でもいいので小分けしてでもちゃんと手で渡すとか、気持ちを伝えて渡す。そういう意識を積み重ねていって、周りが理解してもらえるっていうのはあるかもしれないね。

―結構大変だったんですね。

理解を得るまでの時間は大変ですけど、それ以上に旅行に行きたい気持ちが勝っていたので。僕的には好きな旅行をむしろシェアしている気分でした。

(後編へ続く)

ゲストプロフィール:
東松寛文(リーマントラベラー)
1987年岐阜県生まれ。平日は広告代理店で働く傍ら、週末で世界中を旅する”リーマントラベラー”。70カ国159都市に渡航。2016年、3ヶ月で世界一周を達成。地球の歩き方から旅のプロに選ばれる。著書『サラリーマン2.0 週末だけで世界一周』『休み方改革』など。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です