一般社団法人LIFE IS ROSEと西武池袋本店のコラボ企画『五感で旅する世界旅行』オンライントークイベントより、八木知美さんのインタビュー【後編】をお送りします。MCは松原ゆりさんが務めました。
八木:うちは「ポルトガル・トレード」という会社なんですけど、社長がね、ポルトガル人なんですよ。ポルトガルのワイナリーに行って、色々テイスティングをしながらオリジナルワインを作ってまいす。ポルトガルへ実際に行ってみてすごく思ったんですけど、ポルトガル人ってラテンの国の中でも割とシャイだったりとか、結構礼儀正しい感じがするんですよね。ラテンの国の中では、誰でも彼でも話しかけてくれるようなタイプではないです。そこも日本人と少し気質が似てるので、居心地がいいかもしれないですね。
―松原:私もポルトガルへ旅行した時に思いました。割に日本人と近いかもしれないって。結構ワイナリーは巡られてるんですか?
勿論です。ちいさな畑にも巡って、自分が納得したものを入れてますね。うちの社長がWESTっていう資格を持ってまして、それはソムリエさん方が憧れるような資格なんですよ。彼が全部自分の舌でチェックして『これ!』って思ったものしか入れてないんです。本当にこだわって、こだわって、こだわって入れてます。
―結構ポルトガルのワインって、日本ではあんまり見ない印象があるですよ。お店に行くとフランスやイタリア、アメリカのカリフォルニアワインが結構並んでるなって。
そうですね。あんまり見ないですよね。実はポルトガルの年間一人当たりのワイン消費量が世界一なんですよ。つまり世界で一番ワインを飲む国民なんです。だから外にあんまり出回ってないんですよ。作ったら作っただけ自分たちが飲んじゃうので輸出量が少ないです。アメリカやオーストラリアは、輸出するためにたくさん作るような場所なので、そういった国に比べたら出荷量とか総生産量はもちろん少ないです。少ない上に、自分たちがいっぱい飲むもんで(笑)なかなかポルトガルのワインって外に出してもらえないんですよね。
―ポルトガルのワインはどんな特徴があるんですか?
土着品種が非常に多いですね。トゥーリガ・ナショナル(Touriga Nacional)とか、なんて発音するんだ?ってものがすごく多くて。結構ワインの販売員さん、ソムリエさんの方とかも本当に聞いたことない品種がすごいたくさんあるって言われてて。こういった土着品種は他の国ではなかなか出せない味がすごく多いですね。
―ポルトガルでしか飲めないワインが沢山って、私達が普段味わっているワインとはまたちょっと違う味わいになってるんですね。そしたら、ポルトガル・トレードさんオリジナルのワイン「コップ」の紹介をしていただけたらなと思います。
今ちょうど言おうと思ってた!弊社のオリジナルワインの“コップ”はカステラン(Castelão)っていう品種を主に使ってます。コップってポルトガル語も日本語も同じ共通の言葉なので、ポルトガルと日本をつなぐ一歩になればいいなということで作りました。赤ワインの中でも結構すっきり飲んでいただけるので、赤ワインあんまり苦手なんですっていう方にもすごくおすすめですね。お料理にすごく合うんですよ。
皆さんワインと料理のペアリングってやっぱり考えると思うんですけど、赤はお肉、白はお魚っていう大まかなのが絶対あるじゃないですか。それは間違いではないんですけど、タンニンと脂はケンカします。相性がすごく悪いです。で、赤のフルボディでしっかりしてて、タンニンがガッツリあるようなワインっていうのは、お肉の中でも脂身が少ないものに合わせてください。油とタンニンすごくは喧嘩するので、渋いワインっていうのはあんまり合わないです。
もし脂っこいものと合わせたかったら、油と合うのは酸です。酸味がすごく合います。唐揚げにレモン絞ったり、油っぽい中華にお酢をかけたりするのも同じ原理で、油って酸によって口の中で切れるんですね。ちょっと油っぽいお肉の料理とかは少し酸味のあるワインが合います。まさに“コップ”がそれで、すごく綺麗で美しい酸があってフルーティーなので豚の角煮とか肉じゃがとか酢豚とか言いますね。豚肉のちょっと脂身のあるようなお料理にもすごく合います。和食全般にもすごく合います。ちょっとチェリーのようなフルーツ感あるので甘辛いような味付けにもすごく合いますね。日常の和食の中に一緒に飲んでいただけます。日本人は甘い味覚がすごく好きだったりするので、本当にみりんとお醤油と煮物、肉じゃがだからちょっと甘っぽい感じのお料理もすごく多いんですけれども、それでもこれはね、すごく合います。
―しかもエチケット(ワインのラベル)も可愛いので、これからクリスマスとか合いそうですね!
エチケットにはアズレージョっていうポルトガルのお家に使ってたりするタイルの柄をあしらいました。パーティーで使ってもらったりとか、全然ご自宅でディナーに合わせて開けてもらうのにも全然躊躇しないお値段ですし、1本あれば何かしらの時に絶対使える万能選手です。
―次は知美さんのことについてもお伺いしたいなと思っていて。知美さんにとってのバラ色の人生とはなんでしょうか?
いくつかあるんですけど、まず一つは、今日も元気で酒がうまい!それがバラ色です(笑)だって元気で美味しいものを美味しいって思えるって、そんな最高なことないじゃないですか。
―やっぱり美味しいものとか、友達と過ごした時の時間で「ああ、これ良かった!」「美味しかった!」って記憶が思い出にも残ってますね。
そうなんです。なんかちょっと嫌なことがあったりとか、仕事で大変なことがあっても、大体みんな美味しいものを食べて、美味しいお酒飲んだら「あーどうにかなるかな」とか、ちょっと気分が上がるじゃないですか。それってすごく大事なことで、つまり私たちワインを売ってるインポーターたちは、人を幸せにする仕事をしてるんですよ。私も自分のワインをご注文を受けて発送する時とか、あとは対面で試飲販売をさせていただく機会とかもあるんですけど、その時に「今日はこのワインたちが何人の人を幸せにするのかな?」ってすごく思うんですね。特に試飲販売とかさせていただいてる時に、みんなすごい嬉しそうな顔するんですよ。「美味しい!美味しい!」っていうそのリアクションがすごくいつも素敵で。その顔を見てるとこっちも凄く幸せになるんですよね。本当に幸せそうな顔をされるんですよ!美味しいものを飲んだ時って。それを見るのがやっぱりすごく好きです。だから結論、元気で酒がうまいが一番!
―特にワインって楽しい場面で飲むお酒だなって思うんですよね。幸せに関わるお酒だなと思うので、その笑顔が直接見れるお仕事って楽しいですよね。
本当に楽しいです。あとはですね、もう一つ。私、ある日思ったんですよ。「もう楽しいことしかしたくない!」って思ったんですよ。嫌なこととか嫌いなこととか、我慢とか、もうしたくないって思ったんですね。辛いこともやりたくないし、楽しいこと・好きなことしかしたくないって思って。だったら世の中の全てを私が好きになればいいんじゃないかって思って。そしたら私の人生は100%楽しいことと好きなことだけで構成されるわけですよ。私が何でも楽しいと思えるようになって、世の中の全てを愛せるようになったら、全部私にとっても楽しい。私の世界にはそれしかなくなるから、嫌なことがネガティブなこともなくなるわけじゃないですか。
そうしようと思ったのが、小中学校くらいの時にそれをすごく強く思って、そこから色んなものを好きになる努力を始めたんですね。そしたら何かそういう多分マインドチェンジがすごくあって、例えば嫌だなと思うことがあっても、どうにかこう好きになれるような努力をすると、意外となんか好きになっちゃったりとか、意外とこれ楽しいかもしれないって思ったりとかして。いま勿論いろんな人に会って、クラスにはいろんな子がいますよね。あの子が嫌いとか色々あるけど、その人の良いところを見つけるようにしたりとか、その人自身をもっと大きな愛で包めるようにすごく努力し始めたら、もう自分の周りにいる人がもうみんな大好きになっちゃって。私の人生は好きなことしかないです。もう人生色バラ色ですよ!ほんと好きなことしかやってないです。我慢とか嫌いとか。嫌なことしたくないんだもの。
周りとか事実を変えることはできないけど、自分のマインドならいくらでも変えることができるので。私は日々、好きな人と好きな物と好きな仕事と美味しい物に囲まれてしか生きてないので、もうバラ色です!
ゲストプロフィール:
八木知美(ポルトガル・トレード株式会社)
10代の頃からモデルの仕事を始め、その後アナウンサーに転職。 退社後は単身オーストラリアに渡り、パーソナルトレーナーの国家資格を取得。 現在は日本とシンガポールでモデル活動をしながら、 パーソナルトレーナーとしても世界を股にかけ活動中。 また語学力を生かし、ポルトガルワインの専門商社にも勤め、 営業やイベントPRなどもしている。